直接人の心を打つことはできない。というよりも、言語の形をとることによって、それがすぐれた思考であることがはじめて確認できるのである。その意味で、文章表現は半ば発見であり、半ば創造である。いい内容がいい表現の形で実現し、いい文章になる。逆に言えば、すぐれたことばの姿をとおしてしか、すぐれた内容というものの存在を知ることはできないのである。
(中村明『日本語の美―書くヒント』による) (注1)技巧:すぐれた表現技術
(注2)繰り広げる:ここでは、次々に使う
(注3)小手先の:ここでは、その時だけのちょっとした (注4)自分を取り巻く:ここでは、自分の周りにある (注5)果てしなく広がる:ここでは、どこまでも広がる (注6)湧き出る:生まれ出る
1) 筆者は、読者のためにどのような文章を書けばよいと考えているか。 ? 読んだ後に満足感が得られるもの。 ? 読んだ後に利口になった気分になるもの。 ? 時間をつくってでも読みたくなるもの。 ? 表現が凝っていて読みごたえがあるもの。 2) 筆者によると、いい内容はどうすることで生まれるか。 ? さまざまな人間の生き方を知ることで。 ? 世界中のことを広く知ることで。 ? 人生を深く生きることで。 ? 深い知識を得ることで。
3) 内容と表現の関係について、筆者はどのように述べているか。 ? いい表現であれば、どのような内容でも人の心を打つ。
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? いい表現の形をとることで、いい内容が人に伝わる。 ? いい表現を創造することで、さらにいい内容になる。 ? いい表現は、すぐれた内容であれば自然に生まれる。
問題12 9. A
「新入社員をしかったら会社に来なくなってしまった。」「若い社員のしかり方がわからない。」こんなベテラン社員の悩みを聞くことが多くなった。今の若者は親から大事に扱われ、しかられた経験がほとんどないまま大人になってしまった。上司からしかられると、ショックに耐えられない、なぜしかられたのかわからないと言う若者が多い
しかし、共に会社の一員であり、上司には部下を育てる義務がある。時にはしかることも必要だ。人間はミスをするものなのだから、いつも褒められてばかりなんてことはない。誰にでも、しかられて初めて誤りに気づいたという経験があるはずだ。人間はそれをきっかけに成長するものだ。 B
部下のミスを指摘するのは上司の務めだ。しかし、それは必ずしも部下をしかることではない。確かに、しかれば部下は自身の失敗に気づく。だが一方で、部下は上司を恐れるだけで、なぜ失敗したのか、どうすれば同じミスをせずに済むかを落ち着いて分析することができない。最近の若い社員はしかられた経験が乏しいため、しかられると自分が否定されたと感じてやる気を失ってしまう者もいる。
そういう場合には、上司はしかる代わりに「どうしたんだ。君らしくもない。」と穏やかに言うのはどうだろうか。こう言えば相手を認めつつ、失敗した事実をわからせることができる。これなら部下も現実を受け入れることができ、その原因を考えるはずだ。
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1) AとBが共通して取り上げているのはどのような若者か。 ? しかられても気にしない若者。 ? しかられることに慣れていない若者。 ? しかられることを避けようとする若者。 ? しかられたことを認めようとしない若者。
2)部下が失敗したときの上司の対応について、AとBはどのように述べているか。
? AもBも、部下がやる気を失わないように、あまりしからないほうがいいと述べている。
? AもBも、しかることも必要だが、失敗の原因を考えさせることがより重要だと述べている。
? Aはしかることで失敗に気づかせることが大切だと述べ、Bはしからずに部下に失敗の原因を考えさせるのがいいと述べている。
? Aはしかることで成長を促すことが重要だと述べ、Bはあえて失敗を指摘する必要はなく、部下を信頼して任せるべきだと述べている。
問題13 10.以下は、ある農作物の販売者が書いた文章である。
自分の手で作物を育ててみると、それが食べられるようになるまでどれだけ手間がかかるのかがわかる。また天候不順などに見舞われ(注1)たら作物ができないこともある。米や野菜は、工場で生産される製品のように、自動的?安定的に生産できるものではなく、自然の恵みの中で、人の手がかけられて自分たちの手元にまで届いているのだと実感する。
そうすると、たとえばお店で売られている野菜の値段を見ても、これまでとは違った見方になってくる。ただ単に安ければいいというものではないと思
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えてくる。
価格というのは、現代社会では物に対する一つの評価基準である。安いということは、それを価値の低いものとみなしているといえる。一所懸命作ったものに安価な値段がつけられてしまうと、作り手としては非常にがっかりしてしまうことは想像に難くない。
食料という、われわれが生きていくうえで欠かせないものまでも、ほかの品物と同じように商業主義の中に組み込み、商品の一つとして同じ土俵の上で(注2)競わせることが、はたしてほんとうにいいのだろうか。われわれの命をつなぎ、命を守るものを、安値競争に巻き込んでしまっていいものだろうか。
食べ物の作り手が、いいものを作りたいというモチベーション(注3)を失ってしまったら、最終的に困るのはわれわれ消費者なのだ。生きるための対価(注4)を支払っていると思えば、とにかく安ければいいという安易な選択はできないはずだ。 だから、僕がやっている「青空市場808」では、他店と安値競争をするつもりはまったくない。もちろん、相場(注5)というものがあるので、それを参考にしているが、基本的には生産者に価格を決めてもらい、そのうえで販売価格を決める。
一方、お客さんに対しては、なぜそのような価格になるのか、説明できなければならない。
どのようにしてこの作物は作られているのか。味にはどんな特徴があるのか。農薬は使っているのかどうか。 (中略)
今、小売り(注6)が果たすべき役割は大きいと思う。小売りは生産者との信頼関係を築き、その信頼を消費者に伝えていく。一方で、安全や安心を求める消費者の声や、商品の評価を生産者に伝えていく。こうすることで、消費者の農薬への理解が深まり、ひいては(注7)消費者の健康な暮らしと命が守られ
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ていくのである。
(永島敏行『青空市場で会いましょうー日本の農と食はすばらしい』による)
(注1) 天候不順に見舞われる:ここでは、悪い天気が続く (注2) 同じ土俵の上で:ここでは、同じ条件で (注3)モチベーション:意欲
(注4)~ための対価:ここでは、~ために必要なお金 (注5)相場:一般的に適当だとされる値段
(注6)小売り:ここでは、農作物を生産者から買って、消費者に販売する職業 (注7)ひいては:その結果
1) 作物を育てると、これまでとは違った見方になってくるとあるが、なぜか。
? 生産者の農作物に対する愛情がわかるから
? 自然の影響の大きさや手間がかかることがわかるから ? 農作物を作るには費用も時間もかかることがわかるから ? 工場で作られる製品と同様に手間の多いことがわかるから 2) 農作物の値段をつけるときに、筆者が最も重視しているのはどのようなことか。
? 他店の価格と比較せずにつけること ? 作り手の希望どおりに高くつけること ? 作り手の希望を尊重してつけること ? 農作物自体の品質に基づいてつけること
3) 小売りが果たすべき役割として、筆者が重要だと考えていることは何か。 ? 生産者と協力して、消費者に農業の大変さを伝えること
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